ログハウス,セトリング

丸太組構法（ログハウス）技術基準
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丸太組構法（ログハウス）の技術的基準および解説
　ログハウスの技術基準等の概要を解説いたします

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＜丸太組構法とは何か？＞

1.5丸太組構法における構造面からの注意

ログハウスの場合は，木材を板目（横）方向に使うので、高さ方向（耐力壁）で2～5％程度のセトリング
（セトルダウン）が起こる。（横方向は、0.2～0.3％）
特にハンドカットログハウスは，断面が大きいので乾燥処理が少ないまま施工される事が多く、5％程度
のセトリングがある。仮にログ壁が4mの高さだと、20センチ（＝4mx5％）となり、設計・施工上の注意が必
要である。またマシンカットログハウスの場合でも、2～3％の収縮がある。
セトリングは、ログシェルの含水率により大きく変動するが、告示では２階建てログハウス（小屋裏利用２階
建て：ロフト付きログハウスを除く）に使用する丸太材等の含水率は20％以下とすることとされている。
上記のセトリングにより、施工時の通しボルトが緩むので，定期的なメンテナンスが必要である。
（特にセトリングが激しい1～2年目までは、6ヶ月以内の点検を要する）
その他の注意事項としては、開口部を取り過ぎない、適正なバランスを考慮する、ログシェルの隙間が生じ
る際の処理、防蟻・防腐処理等が挙げられる。

1.6丸太組構法の行政上の取扱い

平成14年国土交通省告示第411号制定以前の取扱い

以前は、丸太組構法の実績が少なく、一般的な設計規準や指針類が存在しなかったため建築基準法上
でも技術的基準が定められていなかった。その後昭和50年代後半から，別荘地のコテージ等を中心に
ログハウスの建築棟数も増え，何らかの指針・基準が必要となってきた。

こうした状況に対処するために，旧建築基準法（以下「旧法」という。）第38条に基づく丸太組構法に
関する技術的基準（昭和61年建設省告示第859号）がとりまとめられた。その後，同告示の適用
範囲外のものについても旧法第38条認定を受けた実績が増えてきたことから，平成2年に適用
範囲の拡大と基準内容の合理化を図る改正が行われた。

平成14年国土交通省告示第411号制定後の取扱い

平成10年6月に公布された改正建築基準法（「建築基準法の一部を改正する法律」平成10年
法律第100号。に基づき，平成12年６月から，いわゆる「性能規定」が導入された。これは建築
基準法の目的を踏まえて，建築物が具備すべき基本的な性能項目及び性能基準を規定し，それを
検証するための試験方法や計算方法を示したものである。
これによって旧法，関連政令及び告示では，画一的な仕様しか認められなかったものが，一定の
性能さえ満たせば多様な材料や構造方法等を採用できることとなった。

　このような性能規定の導入に伴い旧法第38条（特殊の材料又は構法）は削除され，これまで
旧法第38条認定を受けた丸太組構法の実績も踏まえて，平成14年5月に「丸太組構法を用いた
建築物又は建築物の構造部分の構造方法に関する安全上必要な技術的基準を定める件（平成14年
国土交通省告示第411号）］が制定された。（同日、昭和61年建設省告示第859号は廃止）

　本告示では，丸太組構法を特殊な木造として位置付け適用範囲の拡大等が図られているが、
個々の条文ごとにただし書の規定が設けられている場合には，必要に応じて構造計算又は加力
実験の結果に基づき，それぞれ告示本文と異なる構造方法（旧法第38条既認定の仕様を含む｡）
とすることも可能となっている。

　なお，旧法第38条既認定の丸太組構法の仕様については，一度評価を受けた設計法や施工方
法等の技術的な内容については，旧法第38条失効後も引き続き有効であるので，確認申請の際
の技術的資料として活用することは可能である。また，同一の仕様の丸太組構法による建築物
を繰り返し建築する場合には，下記のいずれかの認定を取得することにより，建築主事等によ
る確認検査手続きにおいて審査の一部を省略することが可能となっている。

・丸太組構法による建築物の部分の型式について，法に基づく構造上の基準等に関する一連の
　規定に適合するものとして，法第68条の10第1項の規定に基づく型式適合認定を取得する。

・丸太組構法による建築物又はその部分について，建築基準法施行規則第1条の3第1項の規
　定に基づく認定を取得する。（法第6条第1項第四号の規定に該当し，構造計算を要しない場
　合を除く）

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※「丸太組構法技術基準解説及び設計・計算例」より、一部抜粋